亜鉛は数あるミネラルの中でも必須ミネラルに分類される成分です。
ミネラルにはカルシウムや鉄などたくさんの種類があり、現在では114種類もの成分が発見されています。
「それだけたくさんのミネラルを摂らなきゃいけないの……?」
と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。
しかし、たくさんあるミネラルのうち、現時点で私たちの体に欠かせないことが分かっているのは16種類です。
亜鉛を含むその16種類が必須ミネラルに分類されます。
必須ミネラルとは人体の構成やさまざまな身体機能を維持するために必要不可欠なミネラルのこと。
これらは人間の体内では生成できない栄養素であるため、食事などで外部から取り入れる必要があります。
とりわけ亜鉛は近年慢性的な不足が問題視されており、積極的に摂取したい栄養素です。
亜鉛で期待できる効果
亜鉛は、テストステロン量の増加効果・性欲の増加効果・精子の量の増加効果・男性機能の改善効果・早漏の改善効果などなど性機能に大変重要な成分となっています。
亜鉛の副作用について
亜鉛は毒性が極めて低いとされています。
そのため、通常の食生活では亜鉛の摂りすぎが問題となることは、あまりありません。
ただし、サプリメントで補っている人や治療で長期的に多量摂取する人には注意が必要です。
さまざまな良い効果が見込める亜鉛ですが、
逆に亜鉛を摂りすぎてしまったらどのような症状が現れるのでしょうか。
アメリカ国立がん研究所(NCI)では、亜鉛サプリメントの服用に関する研究を行いました。
研究では、サプリメント服用中の男性に前立腺がんが発生する頻度が高まると発表されています。
具体的には、1日に100mg以上の亜鉛サプリメントを10年以上摂取している男性にがんの危険性が高まります。
前立腺は多量の亜鉛を含んでいます。
健康な人と比較して、前立腺がん患者は前立腺内の亜鉛含量が有意に減少しています。
そのため、前立腺内に蓄えられた亜鉛は、 重要な生理作用を持つと推測されています。
亜鉛は腸での吸収率が低く、粘膜が吸収を受け付けなくなると、体は体外へ排出しようとします。
これにより、嘔吐や下痢が引き起こされます。
銅と亜鉛は拮抗する性質があります。
拮抗とは、互いに効果を打ち消すようにはたらくことです。
つまり、血液中に亜鉛が多くある環境では、銅の吸収が抑制されます。
銅が不足すると、T-細胞とマクロファージの活性が低下することも報告されています。
また、重篤な銅欠乏症では血液や骨髄など免疫組織に大きな障害を及ぼす危険性が指摘されています。
そのため、亜鉛を摂りすぎると銅不足により免疫障害が引き起こされる可能性があります。
サプリメントの飲み合わせに注意しよう
サプリメント上級者ほど陥りやすい亜鉛の過剰摂取。
亜鉛の副作用を避けるための摂取上限値は、一般的な成人男性で1日40mgとされています。
食品から40mgの亜鉛を摂取することは考えづらいですが、サプリからの摂取であれば可能な数値ですので注意が必要です。
また亜鉛の適正摂取量は成人男性で1日12mg。
多くの亜鉛サプリがこの適正量を目安に配合されています。
亜鉛は適切な量を継続的に摂取することで良い効果を得ることができる成分です。
適正量を超えて過剰に摂取してもそれ以上の効果が出るわけではありません。
それどころか副作用のリスクもあるので適量を守って摂取することが大切です。