
異常個体「ニシダ」が体現する
テストステロンが高い男の6つのサイン
「なぜあいつは、ほぼ筋トレをしていないのに100kgを挙げられるのか」—— お笑い芸人・ラランドのニシダ(西田亘輝)をめぐる議論が、筋トレ界隈を揺さぶっている。 体重115kg・身長172cm。ガブリチュウとコーラをこよなく愛し、 本格的なウェイトトレーニングはほぼ未経験。 それでもビッグ3合計390kgという数字を叩き出した。
バズーカ岡田こと岡田隆氏(日本体育大学准教授・ボディビルダー)が 「同じ人種だと考えてしまうこと自体が傲慢だ」とまで言わしめたこの現象。 その正体を読み解くカギが、テストステロン(男性ホルモン)にある。 高いテストステロンは、パワー・体型・食欲・そして性の元気にまで直結する。 ニシダのエピソードは、テストステロンが高い男が持つサインを、 これ以上ないほど分かりやすく体現している。
「自分にも、こんな地の力が眠っているかもしれない」—— ニシダを知ることは、そう思える最高のきっかけになる。
異常個体の謎を、解き明かせ。
「怖くないんじゃないか」——テストステロンは恐怖を消す
ニシダのベンチプレス動画を見た岡田氏がまず言及したのが、 「躊躇なく100kgを降ろしていく」という点だ。 初心者が100kgのバーベルを胸に降ろすとき、普通は恐怖で体がこわばる。 ところがニシダは「えいやー」の一声で成功させた。
テストステロンは脳の扁桃体(恐怖を処理する部位)に働きかけ、 過剰な不安反応を抑制する作用があることが分かっている。 ホルモンが高い男は、新しいことや重いものへの挑戦に対して、 恐怖より好奇心が先に立つ。これが「地の力」の正体のひとつだ。
「やったことがない」に飛び込む行動そのものが、テストステロンを上げるトリガーになる。小さな挑戦から始めてみてくれ。
競争・勝負の場に立つ直前、テストステロンは一時的に上昇する。これを意図的に作り出せば、パフォーマンスも上がる。
「もっと重いものを持ってみたい」——テストステロンが生む"もっと欲しい"感覚
スクワット140kgを成功させた後、ニシダはこう言っている。 「自分の限界を知りたい」「もっと重いものを持ってみたい」。 ショーゴさんが「でたらめに置いてあった140kgのバーベルを見て、初見でデッドリフトした」と証言するように、 ニシダの行動パターンは「重さへの異常な好奇心」に満ちている。
テストステロンはドーパミン(快楽・報酬ホルモン)の分泌を促す。 その結果、達成や刺激に対する欲求が強くなり、 「もっと、さらに」というエンジンが絶えず動き続ける状態になる。 これは筋トレへの欲求だけでなく、性欲・食欲・勝負への意欲にも同じ形で現れる。
性欲や「やってみたい」という欲求が湧いたとき、それを大切にしよう。欲求を行動につなげる習慣が、ホルモン環境を整える。
「次の目標」を常に持つことがテストステロンの維持につながる。筋トレでも仕事でも、明確なゴールが男の活力をキープする。
「ガブリチュウ体質」——腸内細菌とテストステロンのまさかの関係
ニシダのエピソードで最も衝撃的なのが食事だ。 「ニシダのあの体は、ほぼガブリチュウでできている」とショーゴさんは証言する。 肉などの高タンパク食よりも、お菓子とコーラが主食に近いという。 これを聞いた岡田氏が飛びついたのが「腸内細菌がガブリチュウを代謝してアミノ酸を生成している可能性」だ。
腸内環境とテストステロンの関係は、近年の研究で急速に明らかになっている。 腸内細菌のバランスがホルモンの代謝・生成に直接影響し、 特定の腸内フローラがテストステロンの産生効率を高めるという報告が増えている。 ニシダの腸が「普通の人間とは違うロジックで動いている」なら、 腸内環境こそが異常個体を生んだ真の要因かもしれない。
納豆・味噌・ヨーグルトなどの発酵食品は、腸内フローラを整える最も手軽な方法だ。毎日1品、今日から加えてみてくれ。
腸内の善玉菌のエサになる食物繊維(野菜・豆類・きのこ)を増やすことが、テストステロン産生効率アップにつながる。
「ずっと怪我をしていた」——テストステロンが高すぎる体が抱えるパラドックス
ショーゴさんによると、ニシダは学生時代「自分の怪力に体が耐えられなかったのか、ずっと怪我をしていた」という。 部活もほぼ続かなかった。これはテストステロンが高い個体に起きうる、 「出力は高いが関節・腱がついていけない」というパターンと一致する。
テストステロンは筋肉の合成を劇的に加速させる一方、 腱や靭帯の成長スピードは筋肉ほど速くない。 結果として「筋力だけが先走り、支える構造が追いつかない」状態になりやすい。 これを逆に言えば、腱・関節をしっかり鍛えた男は、テストステロンの恩恵を最大限に引き出せるということだ。
腱・靭帯の強化にはコラーゲン合成を助けるビタミンCとの組み合わせが有効だ。筋肉だけでなく「支える体」を作ることが、出力を最大化する。
ニシダが「地面を掴みきれていない気がする」と靴を脱いだ感覚。体の声を聞く習慣が、怪我を防ぎながら出力を上げる正しい道だ。
「大胸筋も盛り上がっている、肌綺麗」——テストステロンが体の外側を作る
岡田氏はニシダの体を見て「よく見たら大胸筋上部もちゃんと盛り上がっている、肌綺麗」と評した。 ガブリチュウ主食・ほぼトレーニングなし・体重115kg。 それでも「体格が異常」「肌がいい」という印象を与えるのは、 テストステロンが体の外側に作用しているからだ。
テストステロンは筋タンパク質の合成を促進し、 特に上肢(肩・胸・腕)の筋肉量に強く影響する。 また、皮脂の代謝や肌のターンオーバーを整える作用もある。 さらに声帯の発達・顎のラインの骨格形成にも関与し、 「男っぽい印象」を作り出す要素の多くがテストステロンと連動している。
ベンチプレス・懸垂・ショルダープレスなど、大きな筋群を動かす多関節運動はテストステロン分泌を最も効率よく促す。週2回でいい。
亜鉛はテストステロン合成の必須ミネラルだ。牡蠣・赤身肉・ナッツ類を意識的に摂ることで、ホルモンが体の外側にも影響を与え始める。
「ニシダになれる」——テストステロンは習慣で確実に引き上げられる
岡田氏は最後にこう述べた。「ニシダという異常個体を知るためには、力の測定・腸内環境・内臓の働きを調べることが必要だ」と。 つまりニシダの強さの根拠は、遺伝や特権ではなく、 体の内側——ホルモン・腸・神経——の総合的な環境にある。
そしてこれらは、日常の習慣によって確実に変化する。 睡眠の深さ・腸内環境・適度な筋負荷・競争心を持った行動—— これらのどれひとつを変えるだけでも、テストステロンは動き始める。 その変化は性の元気にも直結する。パートナーとの時間が変わる実感が、最も早く現れるサインだ。
テストステロンの70〜80%は深い睡眠中に作られる。寝室を涼しくし、就寝前の体温調整を意識することが、最短のホルモンアップ術だ。
午前中の日光浴15〜20分はビタミンDを生成し、テストステロン合成を後押しする。朝の散歩はニシダに近づく最も簡単な一手だ。
「ニシダを笑えない」——それが、変わる最初のサインだ
岡田氏は自分自身をこう評した。「こっちがピエロっす。虚像の芸能に一喜一憂して生涯を終わる」。 日本屈指のボディビルダーがそう言うほど、ニシダのフィジカルは本物だった。 だが面白いのは、ニシダ自身は「自分が異常だ」などとは思っていない点だ。 ただ「もっと重いものを持ってみたい」という欲求に素直に従っているだけだ。
テストステロンが高い男の特徴とは、結局のところ 「自分の体のサインに正直に生きている男」の特徴とも言える。 恐怖より好奇心。「できない」より「やってみたい」。そして、パートナーとの時間に全力で向き合う力。 その全部が、ホルモンという名の土台の上に立っている。
習慣のひとつを変えるだけで、体は確実に応える。 ニシダが体現した「地の力」の片鱗を、まず今夜から引き出してみてくれ。
地の力は、眠っている。起こしに行け。
REFERENCES
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