
全国で流行中の梅毒。
このページでは梅毒についてと梅毒に感染してしまうとどうなってしまうのかを解説していきます。
梅毒とは?
「梅毒(ばいどく)」は、梅毒トレポネーマという病原体による感染症で、全身に様々な症状を引き起こします。
梅毒トレポネーマは、口や性器などの粘膜や皮膚から感染するため、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)が主な感染経路となっています。また、梅毒に感染している母親から妊娠・出産時に子供に感染すること(先天梅毒)もあります。
梅毒に感染すると、3~6週間程度の潜伏期を経て、様々な症状が現れ、場合によっては死亡に至ることもあります。
梅毒は1940年代以降にペニシリンによる治療法が普及してからは、早期に適切な治療を受ければ完治が可能になりました。
有名なあのドラマは実は性病の物語だったわけですね。
次は症状をみていきましょう。
梅毒の症状
梅毒の症状は感染してからどれくらい経ったかによって様々です。
それ故に追跡がし辛くステルスウイルスと呼ばれることもあるそうです。

第1期:感染後約3週間
はじめに、皮膚や粘膜にあった小さな傷など、細菌が体内に侵入してきた部位に、やや硬いしこりのようなものができます。これを「初期硬結」と呼びます。初期硬結はだんだんと周囲に広がり、中心は硬く盛り上がって、周辺部分はぐじゅぐじゅした状態になっていきます。これが「硬性下疳」です。
初期硬結も硬性下疳も、痛みはないことがほとんどで、1箇所だけぽつんと起きることが多いです。男性ではペニス(特に冠状溝・包皮・亀頭部)、女性では大小陰唇によく起こりますが、ごくまれに口周りや手指にできることもあります。
こうした皮膚・粘膜の症状が出てきて少し時間が経つと、足の付け根あたりのリンパ節が数個、痛くないのに腫れてきます。大きさはたいてい人差し指の先端部分くらいです。
これらをまとめて第1期梅毒と呼びます。ここで検査・診断されて適切な治療を受けることが望ましいのですが、症状を放置していても、2~3週間程度で消えてしまいます。[参考1]
第2期:感染後数ヶ月
基本的には、全身の皮膚・粘膜に発疹が起きてきますが、実際に起こる症状は本当に様々です。以下に代表的なものをいくつか示します。
・丘疹性梅毒疹:小豆~エンドウ豆サイズの発疹です。赤茶色っぽく、やや盛り上がった発疹ができてきます。
・梅毒性乾癬:手のひら・足の裏に生じます。こちらも赤茶色っぽいのですが、皮膚の表面の角質がむけてボロボロ・カサカサした状態になります。
・梅毒性バラ疹:指の爪サイズの淡いピンク色の発疹です。体幹部が主で、ほかに顔面や手足にも出現します。痛み・かゆみのような自覚症状がなく、見過ごされやすいです
・扁平コンジローマ:肛門周辺や陰部などに起きる、ピンク色ないしグレーっぽい、ぐじゅぐじゅないしはボコボコと盛り上がるような症状です。この扁平コンジローマの中には特に大量の細菌がいて、他人への感染源となりやすいことが分かっています。
・梅毒性アンギーナ:おもに口~のどのあたりにかけて、粘膜の表面がむけたりえぐれたりして赤く腫れた状態のことを言います。
・梅毒性脱毛:髪の毛がまばらに抜けてしまいます。
3カ月~3年程度にわたって、こうした症状が複数同時に起きたり治ったりします。だんだんと症状がなくなる人もいますが、繰り返し再発しながら次の第3期以降になっていくこともあります[参考1]
第3期(晩期顕性梅毒):感染後数年~数十年
顔に、赤茶色っぽいしこりがたくさん出たり(結節性梅毒疹)、皮下組織・肝臓・骨など全身のあらゆる場所に、「ゴム腫」と呼ばれる腫瘍が起きてしまいます[参考1]
また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死に至ることがあります。
また、妊娠している人が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、新生児死亡、奇形などが起こることがあります(先天梅毒)[参考2]
早期発見・早期治療が重要!
ここまで梅毒の症状を紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
感染すると非常に怖いですよね。
現在は治療法が確立されているので、早期に発見できれば完治できる梅毒ですが、放置していると、心臓や脳などに重い症状を残す可能性がある病気です。きちんと検査し、きちんと治るまでしっかり治療することが大切です。
避妊具装着を心掛けて感染予防もしっかり行って楽しい性生活を送りましょう。